スイスのチューリッヒに本部がある国際語学教育機関のEFエデュケーション・ファーストが発表した2025年の
調査によると、英語を母語としない123の国のうち、
日本人の英語力は96位という結果でした.

しかし、実際は最下位に近いのではないかと
思われます. 日本では小学生のときから英語
の授業があり、その後、中学、高校、大学で、
中には社会人になっても勉強している人さえ
います. 不勉強で低いわけでもなく、学習は
するけどできないというのが現状ではないで
しょうか. ということは、日本人は頭が悪い
ということなのでしょうか.

でも複数の国際学力調査において日本は多く
の分野でトップレベルにあります.
ではなぜ、英語力だけが低いのでしょうか.
よく「受験中心の授業」「言語間の距離」
などが原因と言われますが、本当にそれらが
問題なのでしょうか ?
一番の原因はまったく違うことなのかもしれ
ません. 最初に「発声」を見てください.
出典:世界最大の英語能力指数 ランキング
英会話はAIアプリや教材、あるいはスクールや留学などで時間や費用をかけても効果があまり上がらずに挫折
する人が多いのが現状ではないでしょうか. アプリなどは費用が安く、どこでも空いた時間に学習することが
できるメリットがあります、すでに英会話を身につけた人が、文法、語彙や語法、例文などを数多く吸収するの
には有用と考えます. しかし、まだ英会話が身についていない人には実用的ではありません.
たとえどんなに多くの語彙や語法、例文を丸暗記しても、書き言葉では有用でも、話し言葉では単なるガラクタ
を収集していることになってしまいます.
実用英会話とは、自分の発話が日本人ではなく英語ネイティブに理解され、また英語ネイティブの発話を理解で
きる会話能力です. また、スクールなどで外国人や帰国子女に習っても思うように効果が上がらない理由は、
自らが英語を話す能力と人を話せるようにする能力とはまったく別のことであるからなのです.
皆さんが日本語が話せるようになったのとまったく
同じで、彼らは日常語が英語で、何も考えることな
く、自然に英語を話せるようになりました.
それが、まったく違った環境、日本語しか使わずに
育った日本人に、英語を話せるようにすることは難
しいと考えます.
同じ境遇で同じような経験をし、共感できると教え
るときのツボがよくわかります.
彼らには日本人がどうしてできない、なぜわからな
いのかを実感できないと思われます.
日本語を話すあなたが、日本語がわからない外国人
を話せるようにすることはたやすいでしょうか ?
実用的な英会話を身につけるには独学で十分です.
実は、英会話はアウトプット(話す)よりインプット(聞く、読む)がより大事なのです. 英会話習得のためには
「習うより慣れよ」「日本人はシャイだから英会話が苦手なのだ」などと言って、とにかく英語ネイティブと
実践で会話することが近道とよく言われますがありますが、それらは的を射ているのでしょうか ?
事前に自分の脳にインプットされているものがなけれ
ばアウトプットすることはできませんよね.
そうでなければ、うまく会話ができなくて、ただ自信
を失ってしまうことになってしまいます.
泳げない人に、いきなり「どんどん海で泳ぎなさい、
そうすれば泳げるようになる」と言っているようなも
ので、無茶な話ではないでしょうか.
効率よくインプットするためにはトランスクリプト
(英語ネイティブの)(発話を文字起こししたもの)の英文
の意味を(日本語で)理解した上で、ヒアリングとリー
ディングをすることが効果的です.
そして、そのトランスクリプトに発音などの要点
[留意すべき点]が記されてあればより効果が上がります.
というのは、日本語はスペル[綴り]に書かれている通りに発話しますが、英文は日本語と違って、スペルにはある
が発音記号にない黙字や発音記号にあっても脱落する文字を飛ばして発話される文字が多く含まれていて、リー
ディングするときにそれらが非常に邪魔になり、頭では理解していても、ついついそれらに惑わされてしてしま
うことがよくあります.
例えば、サイレントe がある単語で、語末の e に惑
わされて、子音で終わる語を母音で終わる語と勘違
いすることがあります. 英文では単語間の「語末
子音と語頭母音」を一体化して発話することも多く
、それれらのポイントが書いてある
eva-guide を
見て、留意点を把握してリーディングすると、
非常に効果的です.
例をあげると、one another という2語(相互代名詞)
は「ワン」「アナザー」とそれぞれ分けて発話する
よりも、発音記号は /wʌn/ /ənʌðɚ/ で one のスペル
の e は発音させず、語末 /n/ と語頭 / ə/ をつなげて
「ワナナザー」のように発話するほうが自然ではあ
ります. しかし、この場合は、one の e は黙字で
発音はしませんが、日本人は n を「ん」と発音する
人が多く、その場合、結果的に e を発音しません.
「ワン」「アナザー」と分けて発音してもそれほど大きな問題ではありません.
次の例は、日本人にありがちな、大きなミスについてです.
place of /pleɪs/ /əv/ をローマ字読みして place の e を母音と勘違いし /pleɪs
u/ と読み「プレイス」「オヴ」と
言ってはいけません. この場合の、place の e は黙字で発音せず語末 /s/ と語頭 /ə/ をつなげて「プレイソヴ」
のように読みます. 日本語には「ん」で終わる語以外に(日本語ではなく英語でいう)子音で終わる語はありま
せんが、英語には母音で終わる単語より子音で終わる単語が数多くあるので注意が必要です.
とにかく日本人は英文のスペルを発音し過ぎる傾向があるようです. 次のことを頭に入れておきましょう.
スペル>発音記号>実際の音
スペルにあっても発音しない音がたくさんある( =実際の音はスペルより、さらに発音記号より少ない).
《
eva 学習法 》
1) eva-guide を見ながら1文ごとに、シャドーイングする.〈聞こえてくるネイティブの音声に少し遅れて繰り返す〉
* テキストを見ずにシャドーイングしてあやふやになっても、いい効果が得られません.
2) eva-guide を見ずにイントネーション句(発話がポーズで区切られる)ごとに、まずネイティブの音声を聞き、
音を止めて自分で発話する.
* 短いフレーズ単位で確実に行い、あやふやな場合は、繰り返し行い、それでも心許(こころもと)ない場合には
eva-guide を見てもかまいません.
3) eva-guide を自分でリーディングして、同時に録音用ソフトに録音する.
4) 自分の発話とネイティブとの発話を比較し、課題を見いだす.
* 自分の発話を自分で聞いて、他人にどのように聞こえているか客観視することがとても大事です.
上記を根気よく続けていると脳が慣れてきて、少しずつスペルから発音記号がイメージできるようになってきます.
そして、guide がなくても単語の中の音を落としたり、飛ばしたりして、単語間もつなげてリーディングすることが
自然にできるようになってきます. 日本語と違って、書かれたものと違うように読む必要がある英文をリーディング
するためには必須の学習方です. 着実に、そして比較的早く上達していることが実感できるようになるはずです.
でも、語学の習得には魔法のようなものはありませんので、誰でもある程度の時間は必要です.
サンプル

ただのテキスト

eva-guide

記号類の解説

音声